事例詳細/オイルダンパー
ダンパー内部オリフィス付近の流体解析
概要
オイルダンパーは車両や機器の振動減衰を目的に用いられる装置です。身近なところでは、開閉式ドアの動きを滑らかにするために取り付けられています。そのダンパー内部構造を簡単化(二次元モデル)して、閉じた円筒容器中を往復運動するオリフィスに働く流体力と流動パターンを調べました。動作流体の粘度は、水の様な低粘度流体 (1mPa·s) とオイルを想定して水の1000倍 (1Pa·s) の場合で比較しました。
解説
オリフィスが速度vで移動しているとき、抵抗力(F)は、概ね
解析例
解析結果を以下に示します。
粘度:水(1mPa·s) 流速ベクトル図 |
粘度:水の1000倍(1Pa·s) 流速ベクトル図 |
粘度:水(1mPa·s) 抗力の時間変化 |
粘度:水の1000倍(1Pa·s) 抗力の時間変化 |
粘度が大きく、慣性項が無視できる場合、
と、なるので時々刻々変動するFとxを縦軸、横軸にとってプロットすると、楕円上の軌跡を描きます。
今回の解析結果では、動作液体が水の1000倍(1Pa·s)程度の粘度の際、上記の様な状態が実現することが分かりました。実際の流体の流れは複雑で、慣性の影響は速度の2次の項(角周波数2ω)だけではありませんが、流体の粘度を下げると、縦軸:F、横軸:xの軌跡が楕円からズレ、周期毎に軌跡が変化して同じ軌跡を辿ることの無いカオス(乱流)的な状態に至ることが計算結果から示されました。
解析から分かる事
オイルダンパー、ミキサー、ギアボックスの様な移動・回転する部品が有る問題も、メッシュを流体領域の変化に合わせて変動されることで、解析可能になります。さらに、移動様式が予め決まっている問題のほか、羽根車、浮遊物体、各種弁の様に流体素子に働く流体力の変動によって、移動量・回転角等が変化する問題に対応することも可能です。
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