東北地方太平洋沖地震の検証例
東北地方太平洋沖地震を題材とした、不均質地下構造を用いた地殻変動解析を行い、プログラムの検証を行いましたので、以下にご紹介します。
解析条件
- 範囲: 北緯35°~42°、東西138°~145°
- 深さ: 150kmまで
- 地盤データ: 工学的基盤から地震基盤までは防災科学技術研究所J-SHISの1Km分解能の不均質地下構造を設定、地震基盤以深はMatsubara et al.地盤モデルを利用
- 震源断層: 大きさは475x175km。これを19x7=133個の小断層に分割、一つの小断層は10x10に分割
- 断層滑り: 133個の小断層の不均質滑り変位
- 最大断層すべり変位: 37m
- 解析規模: 2,100万自由度
- 解析時間: Xeon 2.4GHz 8コアにて約8分
東北地方太平洋沖地震のFEMモデル
解析結果
東西方向変位
(a) 均質構造モデル
(b) 不均質構造モデル
東西方向伸張ひずみ
(a) 均質構造モデル
(b) 不均質構造モデル
(b) 不均質構造モデル(拡大)
本解析により、不均質地下構造を考慮することで、新潟ー神戸ひずみ集中帯を再現できた。
謝辞
上記結果を得る上で、解析条件の設定、解析結果と観測値の検証、考察等において国土地理院西村様(現 京都大学 防災研)には大変お世話になりました。
参考情報
Geophysical Journal International論文
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FrontISTRを用いた 大規模地殻変動解析、地震動解析事例紹介FrontISTR研究会にて発表させていただいた大規模地殻変動解析、地震動解析事例です。(PDF 全34ページ、日本語)
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EduS/FrontISTR/Tectonカタログ・検証事例地殻変動解析ソフトウェア EduS/FrontISTR/Tecton のカタログ(検証事例)です。
解析事例:東北地方太平洋地震の地殻変動解析の解析事例東北地方太平洋地震を題材とした均質な地盤での地殻変動解析事例です。