可視化ソフトウェアParaViewを使用すると、定常のベクトル場に対する流線を作成できます。
以下は、Stream Tracerフィルターを使用した例で説明します。
- ParaViewが流線を描く際に使用するRunge-Kutta4_5法についての説明動画も作成したので、ご参考ください:
サンプルデータの読み込み †
まず、ParaViewのexampleフォルダに含まれる
ParaViewのインストール場所/examples/disk_out_ref.ex2
を読み込みます。
Applyすると、データが読み込まれます。
ここで、変数Vは流速ベクトルです。
Stream Tracerフィルター †
次に、Stream Tracerアイコンをクリックし、設定を変えずに、Applyすると、流線が描かれます。
以降は、自分の描きたい流線になるようにオプションを変更していくことになります。
流線の出発点となる種 †
流線の出発点となる種のタイプ(Seed Type)には、2種類あります。
- Line: 始点・終点で線分を指定し、線分上に等間隔にResolution個の種を発生
- Point Cloud: 球の中心と半径を指定し、その中にランダムに種を発生
例えば、
- Seed Type: Line
- Resolution: 100
とすると、以下のように、デフォルト設定よりも種の個数を減らすことができます。
- Vectors: ストリームラインを生成するためのベクトル配列の名前を指定
- Surface Streamlines: 表面流線を計算するかどうかを指定
積分パラメータ(Integration Parameters) †
- Integration Direction: 流線を積分する方向
- BOTH: 流線と逆流跡線の両方
- FORWARD: 流線のみ
- BACKWARD: 逆流跡線のみ(ベクトル場をマイナスして遡る)
- Integrator Type:
- Runge-Kutta 2: 2次精度
- Runge-Kutta 4: 4次精度
- Runge-Kutta 4-5: 次の流線の点を4次精度と5次精度で求め、それらの距離がMaximum Errorより小さいならば5次精度を採用、大きい場合は、Stepサイズを半分に、小さすぎる場合はStepサイズを大きく調整する適応型積分(Cash–Karp法)。
- IntegrationStep Unit:最小/初期/最大積分ステップサイズの単位を指定
- Length: 単位は、粒子が1つのステップ内で移動/移動する円弧の長さを表す
- Cell Length: 単位はステップサイズをセル数で表す
- Initial Step Length: 初期積分ステップサイズの指定。非適応積分(Runge-Kutta 2とRunge-Kutta 4)では、積分を通して固定(常にこの初期値に等しい)されます。適応型積分(Runge-Kutta 4-5)では、実際のステップサイズは、数値誤差が指定された閾値より小さくなるように変化します。
- Minimum Step Length:最小積分ステップサイズを指定(Runge Kutta 4-5のみに使用)
- Maximum Step Length:最大積分ステップサイズを指定(Runge Kutta 4-5のみに使用)
- Maximum Streamline Length: 粒子の移流/積分が終了する終端速度を指定
- MaximumError: 流線積分を通して許容される最大誤差を指定(Runge-Kutta 4-5のみに使用)。Runge-Kutta 4-5は、推定誤差がこの閾値より小さくなるようにステップサイズを調整しようとします。
流線パラメータ(Streamline Parameters) †
- Maximum Steps: 流線積分が終了する最大ステップ数を指定
- Maximum Streamline length: 線積分が終了する最大流線長(すなわち、物理円弧長)を指定
- Terminal Speed: 粒子の移流/積分が終了する終端速度を指定
その他 †
- ComputeVorticity: 渦度を計算するかどうかを指定
出力変数 †
- ReasonForTermination: 流線がどのような理由で途切れたかを示す変数
- 1: ストリームラインが入力データセットの外部境界を横切った
- 2: 初期化の問題
- 3: 予期しない値を計算した
- 4: 最大流線長入力値に達した
- 5: 最大ステップ数入力値に達した
- 6: 速度が終端速度入力値より小さい