SPHのレイトレーシング可視化 †ParaViewを使用して、SPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)の結果である点群を、レイトレーシング・レンダリング(OSPRay)で写実的に可視化できます。 ここでは、ダムブレークのSPHの結果をサンプルにして、レイトレーシングの可視化を行います。 ※このダムブレークのシミュレーションは、SPlisHSPlasHのサンプルです。計算手順は、SPH法の可視化をご覧ください。 サンプルのダウンロード †ダムブレークのSPHの結果を下記からダウントードし、適当な場所に解凍してください。 SPH結果の読み込みとPoint Gaussian表示 †ParaViewを起動し、"Open"アイコンから、"Open File"窓で、データを解凍したフォルダに移動します。 ファイル名に連番の付いた時系列データは、"ファイル名_..vtk"のように表示され、これを読み込むと時系列データとして読み込まれます。 ここでは、 ParticleData_Fluid_..vtk を選択します。
"Apply"ボタンを押し、色付けを"velocity"、表現を"Point Gaussian"として、 |Gaussian Radius| 0.02| に設定し、さらに時間を進めると、以下のように表示されます。
SPH Volume Interpolation †SPHの結果は、点群なので、一度、ボリューム(3次元の画像データ)に補間します。これには、SPH Volume Interpolatorフィルターを使用します。 Filters > Point Interpolation > SPH Volume Interpolator をクリックします。 "Array Selections"以下を次のように設定します。
また、"Volume Parameters"で、解析領域を囲むバウンディングボックスとその解像度を、以下のように指定します(解析領域の座標はあらかじめ調べておく必要があります)。
"Apply"ボタンを押し、表現を"Volume"にすると以下のように、ボリュームレンダリングで表示されます。 等値ボリューム †レイトレーシングで描画するためには、さらに、水面を表現する面形状を抽出する必要があります。このためには、等値ボリュームを抽出する"Iso Volume"フィルターを使用します。 Filters > Alphabetical > Iso Volume をクリックし、
と設定してから、"Apply"すると、以下のように表示されます。
レイトレーシング・レンダリング †レイトレーシングに必要な、水面形状が取り出せたので、次は、レイトレーシングの設定をします。 "Pipeline Browser"で"IsoVolume1"を選択状態にし、"Ray Tracing"を以下のよう設定します。
また、"Ray Traced Rendering"で"Enable Ray Tracing"にチェックを入れ、
とすると、下図のように描画されます。なお、ビューアの背景色が黒などの暗い色の場合は、よく見えないかもしれません。 動画にすると以下のようになります。 |