*Immersed boundary (IB)法とは?  [#wda5b7ef]

この文章は、
[[The immersed boundary method, from 2D fibres to 3D finite elements:http://www.slideshare.net/uvacolloquium/the-immersed-boundary-method-from-2d-fibres-to-3d-finite-elements]]
を参照しています。

粘性流の中の境界(物体)をシミュレートする数値解析手法で、流体のメッシュは境界形状に沿っていいなくてもよいです。

流体は、固定された直交メッシュ上でモデル化されます。

境界は、固定された直交メッシュ上で自由に動けるラグランジュメッシュとしてモデル化されます。

以下は、2次元で説明します。

**流体 [#y5bd8799]

流体は、粘性流体に対する運動方程式であるNavier-Stokes方程式にしたがいます。
\[
\rho\left(\frac{\partial \bm{u}}{\partial t}\right) + \bm{u}\cdot\nabla\bm{u} = -\nabla p + \mu\nabla^2\bm{u} + \bm{F}
\]

変数
-$\bm{u}$: 流速
-$p$: 圧力
-$t$: 時間

パラメータ
-$\rho$: 密度
-$\mu$: 動粘性係数
-$\bm{F}$: 外からの体積力

さらに、非圧縮性流体の場合には連続の式を追加します。

\[
\nabla\cdot \bm{u} = 0
\]

**流体メッシュ [#tf020e5d]

流体は固定された直交メッシュによって表現されます。

#ref(Cartesian_mesh.png,center,nowrap,80%, 直交メッシュ);

各節点で、流体の圧力と流速がNavier-Stokes方程式を使用して計算されます。体積力は境界によって与えられます。

**境界メッシュ [#pba0b67c]

境界は流体の中を移動する曲線状のラグランジュメッシュによって表現されます。

#ref(boundary_mesh.png,center,nowrap,60%, 境界メッシュ);

各時間ステップで、境界の各節点の位置と力を計算します。

**流体と構造の連成 [#wca6730c]

流体と構造を連成させます。

#ref(combine_fluid_structure.png,center,nowrap,80%, 流体と構造の連成);

***境界 → 流体 [#e95ea39f]

ラグランジュメッシュから弾性力密度を直交メッシュに作用させます。

\[
\bm{f}(\bm{x},t) = \int \bm{F}(q,t)\delta(\bm{x}-\bm{X}(q,t)))dq
\]

デルタ関数を使用して、弾性境界が近くの流体メッシュにどれだけ力を与えるかを決定します。

***流体 → 境界 [#p0ef293d]

流体の速度だけラグランジュメッシュの節点を移動させます。

ラグランジュメッシュ上の流速は、直交メッシュ上の流体場を補間します。

\[
\frac{d\bm{X}(q,t)}{dt} = \bm{U}(\bm{X}(q,t)) = \int\bm{u}(\bm{x},t)\delta(\bm{x}-\bm{X}(q,t))d\bm{x}
\]

**定式 [#e4cbff5b]

以上により、Immersed boundary法の定式化が完了しました。

\[
\rho\left(\frac{\partial \bm{u}}{\partial t}\right) + \bm{u}\cdot\nabla\bm{u} = -\nabla p + \mu\nabla^2\bm{u} + \bm{F}
\]

\[
\nabla\cdot \bm{u} = 0
\]

\[
\bm{f}(\bm{x},t) = \int \bm{F}(q,t)\delta(\bm{x}-\bm{X}(q,t)))dq
\]

\[
\frac{d\bm{X}(q,t)}{dt} = \bm{U}(\bm{X}(q,t)) = \int\bm{u}(\bm{x},t)\delta(\bm{x}-\bm{X}(q,t))d\bm{x}
\]

** IB時間ステップ [#u56c6f37]

各時間ステップで以下を行います:

1) 境界メッシュ上で弾性力密度$\bm{F}$を計算します。

2) 流体に変形した境界からの弾性力$\bm{f}$を作用させます。

3) 弾性体積力$\bm{f}(\bm{x},t)$を使用して流体メッシュ上の流動の方程式を解き、流速場を更新します。

4) 局所的な流速で境界を移動させます。各ラグランジュ節点での流速は補間で求めます。

*境界の弾力性の決定 [#y7c7e638]

弾性や伸縮性、透過性など、境界の特性を制御するファイバーモデルが多く存在します。

-バネ
-ねじりバネ
-ターゲット点

**バネ [#o425c497]

バネは2つのラグランジュ節点間を縦方向に運動します。

#ref(spring.png,center,nowrap,80%, バネモデル);

弾性ポテンシャルエネルギー:
\[
E_S = \frac{1}{2}k_S(||\bm{x}_{SL}-\bm{x}_M|| - R_L)^2
\]

変形力:

\[
\bm{F}_S = -\frac{\partial E_S}{\partial \bm{x}_M}
=k_S\left(1-\frac{R_L}{||\bm{x}_{SL}-\bm{x}_M||}\right)\cdot
\left(\begin{array}{c}
  x_{SL}-x_M \\
  y_{SL}-y_M
\end{array}\right)
\]


**ねじりバネ [#t3ae9d79]

ねじりバネは3つのラグランジュ節点間を縦方向に運動します。

#ref(torsional_springs.png,center,nowrap,60%, ねじりバネモデル);

弾性ポテンシャルエネルギー:
\[
E_S = \frac{1}{2}k_B(\hat{z}\cdot(\bm{x}_R-\bm{x}_M)\times
  (\bm{x}_M-\bm{x}_L)-C)^2
\]

曲率:
\[
C = d_{LM}d_{MR}\sin(\theta_{\text{desired}})
\]

変形力:

\[
\bm{F}_B = -\frac{\partial E_B}{\partial \bm{x}_M}
=k_B((x_R-x_M)(y_M-y_L)-(y_R-y_M)(x_M-x_L)-C)\cdot
\left(\begin{array}{c}
  (y_M-y_L)+(y_R-y_M) \\
  -(x_R-x_M)-(x_M-x_L)
\end{array}\right)
\]

**ターゲット点 [#f397877d]

ターゲット点はラグランジュメッシュの節点の移動を指定したり、境界を変形しないようにします。

*3D immersed boundary法 [#j6d0eb25]

基本的には、2次元と同様だが、3次元目が追加されます。

計算コストは増加するが、より現実的なモデルを生成できるようになります。

*IB-AMR(IB-解適合格子) [#u096d004]

細かい格子は解析の解像度がよくなりますが、計算コストが増大します。そこで、境界の近くと、渦度が大きい領域にのみ流体メッシュを細かくするAMR(Adaptive Mesh Refinement)を併用します。

#ref(IB_AMR_ex.png,center,nowrap,50%, IBAMRの例);

*IB-Finite Elements(IB-有限要素) [#y305495c]

IBでは境界にfiber要素を使いますが、IB-FEでは有限要素を使用します。

有限要素を作成するのは難しいが、多くの利点があります:
有限要素を作成するのは形状によっては難しいですが、多くの利点があります:
-計算時間が高速になる
-有限要素を使用すると形状の再現性が高まる
-物性をより良く反映できる
-境界での漏れが少ない
-モデルが安定化する

#ref(IBFE.png,center,nowrap,50%, IB-FEの例);

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