FactSage 8.1 への進化
2021 年 5 月 の時点で、FactSage の最新版は FactSage 8.1 です。FactSage は FACT-Win 3.05 と ChemSage 4.0 が出会って 2001 年に誕生しました。 そのため FactSage のバージョンは 5.0 からスタートしています。FactSage の進化を簡単に紹介します。詳細は開発元のウェブサイトをご覧ください。
FactSage バージョンアップの内容
FactSage はバージョンアップに伴い、新しい機能が追加され、熱力学データベースが追加・更新がされます。バージョンアップの内容を下表に示します。FACT 純物質、SGTE 純物質のうしろの括弧内の数字は物質数です。
年 | バージョン | 主な新機能、熱力学データベースの追加・更新 |
---|---|---|
2021 | FactSage 8.1 |
新機能: 仮想元素の導入、微細構造を考慮した熱伝導率の推算、計算設定の自動保存
データベースの更新: FACT 純物質(4959)、FACT 酸化物、FACT 塩、FACT ホールエルー、FactSage スチール、スペンサーグループ耐火物、SGTE 2020 合金、IRSN 核燃料 |
2020 | FactSage 8.0 |
新機能: 設定ファイル名の命名規則変更、ライセンスファイルの自動更新、ドキュメントの追加、操作性の向上、TDB ファイル変換機能の向上
データベースの追加: SGTE 2020 合金 データベースの更新: FACT 純物質(4957)、FACT 酸化物、FACT 塩、FACT ホールエルー、FactSage スチール、スペンサーグループ耐火物、貴金属合金、IRSN 原子力関連、IRSN 核燃料 粘度データベースの更新:Li2O の追加 |
2019 | FactSage 7.3 |
新機能: 200 の溶体相を考慮した平衡計算(FactSage 7.2 では 150)、TDB 形式熱力学データベースの変換、パッチのインストール
データベースの更新: FACT 純物質(4920)、SGTE 純物質(3927)、FACT 酸化物、FACT 塩、FACT アルミニウム合金・マグネシウム合金、FactSage スチール、FactSage 銅合金、FactSage 鉛合金、スペンサーグループ耐火物、貴金属合金 |
2018 | FactSage 7.2 |
新機能: 計算時間の短縮(FactSage 7.1 の半分以下)、状態図計算性能の向上、状態図編集における操作性の向上、新しい電位 -pH 図
データベースの追加: SGTE 2017 合金 データベースの更新: FACT 純物質(4869)、SGTE 純物質(3842)、FACT 酸化物、FACT 軽合金、スペンサーグループ耐火物 |
2017 | FactSage 7.1 |
新機能: 150 の溶体相を考慮した平衡計算(FactSage 7.0 では 40)、新しい水溶液の状態図、Scheil-Gulliver モデルを使った凝固解析における「液相の組成と析出物の関係を表す図」の作成
データベースの更新: FACT 純物質、FACT 酸化物、FACT 軽合金、FactSage スチール |
2015 | FactSage 7.0 |
新機能: 溶体データベース編集、等活量線図 データベースの追加: SGTE 2014 合金、FACT 核燃料、スペンサーグループ耐火物 データベースの更新: FACT 純物質(4868)、FACT 酸化物、FACT 酸・炭・窒化物、FACT miscellaneous、FACT 軽合金、FactSage スチール、SGTE 貴金属 |
2013 | FactSage 6.4 |
新機能: レシプロカル系の状態図、パラ平衡、純物質選択支援 データベースの追加: Thermodata 核燃料(Pu を含む系) データベースの更新: FACT 純物質(4776)、FACT 酸化物、FACT 塩、FACT ホールエルー、FACT 化学肥料、FACT 酸・炭・窒化物、FACT 軽合金、FactSage スチール |
2012 | FactSage 6.3, 6.3.1 |
新機能: 固相面図、溶体相を含む電位-pH 図、FactSage-TEACH(平衡計算学習用のテキスト) データベースの追加: FACT 溶体(高温の酸・炭・窒化物、化学肥料) データベースの更新: FACT 純物質(4776)、FACT 塩、FACT ホールエルー、FACT miscellaneous、SGTE 純物質(3768、従来は 3411)、FactSage 鉛合金、FactSage スチール、FactSage 超高純度シリコン |
2010 | FactSage 6.2 |
新機能: 溶融スラグ・ガラスの粘度予測、エンタルピー変化と組成の状態図 データベースの更新: FACT 純物質(4557)、FACT 酸化物、FACT miscellaneous、FactSage スチール、SGTE 純物質、SGTE 貴金属 |
2009 | FactSage 6.1 |
新機能: 液相面図、最適組成の予測 データベースの追加: SGTE 2007 合金、FACT 軽合金、SGTE 貴金属 データベースの更新: FACT 純物質(4549)、FACT 酸化物、FACT 塩、FACT パルプ、FACT miscellanesous、FactSage スチール |
2007 | FactSage 5.5 |
新機能: 48 元素(従来は 32 元素)の平衡計算 データベースの追加: FactSage パルプ データベースの更新: FACT 酸化物、FACT 塩、FactSage 超高純度シリコン |
2005, 2006 | FactSage 5.4, 5.4.1 |
新機能: 溶体相の成分のターゲット計算、計算状態図データベース データベースの追加: FactSage 銅合金、FactSage 鉛合金、FactSage 超高純度シリコン、SGTE 核燃料、Thermodata 核燃料 データベースの更新: FACT 純物質(4538) |
2004 | FactSage 5.3, 5.3.1 |
新機能: 40 の溶体相を考慮した計算(従来は 30) データベースの追加: FACT 酸化物、FACT 塩、FACT ホールエルー、FACT miscellaneous、FactSage 軽合金、FactSage スチール、FactSage 貴金属、SGTE 2004 合金 データベースの更新: FACT 純物質(4517、従来は 4429) |
2003 | FactSage 5.2 | 新機能:平衡計算機能の安定性の向上と高速化 |
2002 | FactSage 5.1 | 新機能: 32 元素(5.0 では 24 元素)の平衡計算。マクロ機能 |
2001 | FactSage 5.0 | FactSage 誕生 |
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