CFDのAIアドバイザー??
By K.Yoshimi
はじめに
流体解析(CFD, Computational Fluid Dynamics)を習得するには、非常に時間を要することが知られています。
ある程度、経験を積むまでは、実務をしていく上で、様々な疑問が生じるでしょう。
そんなとき、「どんな疑問にも答えてくれる熟練者・専門家が近くにいたらなぁ」と思うこともしばしばです。
そこで、この記事では、どんな質問にも回答してくれるAIを紹介します。
GPT-J
今回使用するAIはGPT-Jです。
GPT-Jは、2021年6月にEleutherAI社がオープンソースとして公開した自然言語処理AIモデルで、 自然な文章を生成することで話題を呼んだ、60億ものパラメータをもつGPT-3のクローンです。
ちなみに、GPT-JのJは、実装に使われているGoogleのJAXのJからとられています。
Microsoft、NVIDIA、Googleなどの資金豊富な組織は、GPT-3より、もっと大きなモデルをすでにトレーニング済みとのことで恐ろし限りです。
GPT-Jに質問してみる
それでは、早速、GPT-Jに質問してみましょう。
GPT-Jには、デモWebサイトがありますので、そちらに移動します。
使い方は、簡単で
1.Write some prompt...に質問を入力
2.Run the model!をクリック
3.続きの回答を見たい場合は、Send result as promptをクリック
の手順となります。
❗ 英語で質問しましょう
GPT-J-6Bは、日本語にも対応していますが、不自然な日本語を返しますので、 英語で質問した方がよいです。
私のように英語が苦手な方は、DeepLのうような翻訳AIを使うとよいでしょう。
それでは、具体的に質問してみます。今回は、
「乱流モデルにはどのような種類がありますか?」
を質問してみます。英語に翻訳すると
「What types of turbulence models are available?」
となります。
そして、これをWrite some prompt...に入力し、Run the model!をクリックします。
さて、どのような回答が返ってくるでしょうか?
🔮 GPT-J-6Bの回答:
ご質問の乱流モデルは、標準k-ε(k-ε)モデルで、最も単純な乱流モデルです。CFD用途では最も広く使用されています。 乱流が流れに与える影響を考慮しない乱流モデルです。k-εモデルは、流れの中の小さなスケールの運動は大きなスケールの小さな摂動であると仮定したクロージャモデルです。小スケールの運動は大スケールの速度勾配に比例すると仮定し、k-εモデルは次のように定義されます。
ここで、小スケール流速、大スケール流速勾配、乱流粘度、大スケール粘度、乱流運動エネルギーです。 k-εモデルは線形モデルであり、小スケールの運動に対してのみ有効であることを意味します。 また、k-εモデルは定常モデルであり、流れの時間変化を考慮しないモデルです。
k-εモデルについては、こちらで詳しく解説しています。 ・・・
と、なにやら最もらしい回答が返ってきました。
先が気になる場合は、Send result as promptをクリックし続けると、永遠と話し続けます。
📌 回答は毎回変わります
GPT-J-6Bの回答は毎回変わり、保存されませんので、必要であれば、保存しましょう。
📌 回答がヘンテコなときは、質問を言い換えてみましょう
おわりに
この記事では、どんな質問にも回答してくれるAIのGPT-Jを紹介しました。
GPT-J-6Bは、おかしな回答をする場合も多いですが、何か新しい知見が得られるかもしれません。
ただし、真偽不明な回答(作り話)もあるので気を付けましょう。
📌 人間のCAE/CFDの専門家にご相談がある場合は、ぜひ弊社までお問い合わせください。