CFDのAIアドバイザー??(4)
By K.Yoshimi
はじめに
以前の記事
では、流体解析のどんな質問にも答えてくれるAIアドバイザーを紹介してきました。
そして、ようやく、各CAEソフトウェア製品に特化したAIアドバイザーやアシスタントが出現しつつあります。
例えば、2023/07/24にはAnsysGPTのβ版がリリースされました。(2024年初頭に正式リリース?)
👉 AnsysGPT:Ansysデータを使用して学習され、Ansys Innovation Courses、技術ドキュメント、ブログ記事、ハウツービデオなどの 信頼性の高いAnsysリソースから引き出された、カスタマイズされた適切な回答を生成します。
訓練の過程では、いかなる種類の専有情報も使用されず、お客様からの入力は保存されず、 いかなる方法によってもシステムの訓練に使用されないことを保証するために、強力な管理体制が敷かれました。
また、SIEMENS社のはプロトタイプですが、対話的にモデリング、解析まで行います。
そもそもCAEと大規模言語モデルは相性が良い!
市販のCAEのソフトウェアのGUI設定や計算設定は、多くの場合、Pythonスクリプトや独自言語 (Ansys Fluentであれば、pyfluentやジャーナルファイル(*.jou))でも記述でき、 一方で、大規模言語モデル(LLM)は人間の命令にしたがって、それらをプログラミングすることが得意なので、 LLMとCAE分野とは非常に相性がいいです。
したがって今後は、CAEのソフトウェアは、対話的に操作していくことが普通になっていくと予測されます。
対話的なCAEソフトウェア
対話的なCAEソフトウェアでは、人間がうまく問題設定(仕様)を与えると、LLMが計算設定を自動で行ってくれます。 そして、その設定を人間が確認して、修正(を要請)したり、しながら解析を進めていくことになります。
特に、初級者にとってはCAEは非常に使いやすいものになるでしょう。
だれでもCAE解析
対話的なCAEソフトウェアがより高度化すると、誰もが熟練者のように最適なCAE解析を行えるようになります。
こうなるとCAE解析を日常的に行える世界が来るかもしれませんね。
例えば、近年の豪雨の激甚化による土砂災害や、有機フッ素化合物などの汚染物質の流出などは、 各人が自分の地域でシミュレーションして予測することができるようになるかもしれませんね。