実践:MVCモデル(5)
By S.Nagao
本記事では、プログラミング開発において有用なフレームワークであるMVC(Model-View-Controller)モデルを、 VTK-wrap-Javaプログラミングを通じて理解します。
第5回は、
実践:MVCモデル(1)
実践:MVCモデル(2)
実践:MVCモデル(3)
実践:MVCモデル(4)
で理解した内容に基づいて、プログラムの設計について考察します。
プログラムの設計
まず、顧客との打ち合わせにおいては、画面の使い方と、表示項目を示し、検討します。 ControllerクラスとViewクラスを示して、機能を確認することになります。
機能の確認は設計ではありません。あくまで、プログラムができたときのイメージの確認であり、 機能設計です。
機能を確認した後は、重要なことは、Modelクラスを設計することです。 まず最初にModelクラスを設計します。Modelクラスの設計は、必要なデータの確認と個数、種類です。
Controllerの設計で、重要なことは、共通する同じ画面はなるべく1つのクラスで実現することです。 共通なクラスを洗い出し、継承関係を設計します。
Viewクラスの設計は、Modelクラスが設計できるとおのずから決まります。 また、Viewクラスは、画面上の表示のみならず、印刷出力等に対しても応用できます。 ドキュメントクラスの違った表示クラスとなります。
Model・View・Controllerモデルは、設計上の枠組みみたいなもので、こうしなければならないという 規則は有りません。3つに分類して設計することで、設計の見通しがよくなり、プログラムがわかりやすくなればいいわけであって、 個人個人で多少の考え方の違いがあるのは当然だと思います。 重要なことは、考えやすさなんだと思います。
多少の枠組みの違いを許容しても、クラスの機能に冗長なところや、 重なり(同じ機能を2つのクラスで実装している)があってはなりません。
設計の時点で、プログラミングの処理を考えるのは、経験上好ましくないと言えます。 設計では、Model・View・Controllerの枠組みで、見通しよく考えることが重要です。 処理は、設計の後で考えます。 言語を何にするか、とかは、設計とは切り離して考えるほうが賢明です。
プログラムに慣れていない時は、どうしても、プログラムの処理を最初に考えがちですが、 切り離して考える癖を付けてください。 そうすることが、見通しよく設計するコツです。 処理を簡単にするために設計を変えることは、お勧めできません。
今回は、ここまで。
次回は、最終回です。実践:MVCモデル(6)