EDESFEM電着塗装シミュレータ

電着塗装シミュレータ EDESFEM

「EDESFEM」(エデスフェム)は、自動車製造の実ライン電着塗装解析に特化した
次世代有限要素法を搭載する高精度・高速シミュレーションソフトウェアです。

電着塗装シミュレータ EDESFEM


概要

「EDESFEM」(エデスフェム)は電着塗装(electrodeposition: ED)の付きまわりシミュレーションに特化した単機能の数値解析ソフトウェアです。主として自動車の車体・部品のカチオン電着塗装における膜厚・電位・電流密度の分布の時刻歴を計算で予測することが出来ます。

対応する組み合わせ

様々な鋼板(冷間圧延(SPCC)/熱間圧延(SPHC)/合金化溶融亜鉛めっき(GA))、化成処理(リン酸亜鉛/ジルコニウム)、電着塗料(車体用グレー/部品用ブラック、高付きまわり/超高付きまわり)の組み合わせで利用実績があります。

カチオン電着塗装のメカニズム 電着塗装プロセス 電源 電着塗料 陽極(+) 車体(カソード) 陰極(-) 塗膜 電場 • 車体を陰極、槽内の電極を陽極として電圧印加 • 塗料粒子が車体表面に析出し塗膜形成 塗膜形成の化学反応 ① 電気泳動 カチオン性塗料粒子が電場により 陰極(車体表面)へ移動 ② 析出・凝集 車体表面で電気化学反応により 塗料粒子が凝集・不溶化 ③ 塗膜成長 時間経過とともに塗膜が厚く成長 (電気抵抗増加により成長速度低下) 予測対象 膜厚分布・電位分布・電流密度分布 EDESFEMは電場解析と電気化学反応を連成させて膜厚分布を高精度に予測
カチオン電着塗装における塗膜形成メカニズムと解析対象

用途

1

新型車設計時の電着穴配置・電着条件の最適化

電着穴の位置や大きさの設計、電源電圧時刻歴の設定などを事前計算で試しておくことにより、新型車生産開始時の試行錯誤の労を軽減できます。

2

電着条件変更による膜厚への影響の事前検討

電源電圧の設定、タクトタイム、電極の種類や配置、あるいは塗料自体の変更が必要になった際、その影響を事前に評価できます。

3

付きまわり不良の原因究明と短期改善

付きまわりトラブル発生時、数値解析の援用によりその原因究明が容易となり、短期での付きまわり改善につながります。

複数台の槽内移動解析 電着槽 陽極 後車 対象車 前車 移動 移動 移動 電場干渉 電場干渉 前車および後車の影響で対象車の電場分布が変化 時間経過で位置変化 前車および後車の影響で対象車の塗膜成長に影響 複数車体の同時入槽と移動による相互影響を考慮した高精度解析
電着槽内での複数台車体の移動解析と相互影響の評価

特徴

1

自動車製造の実ライン電着塗装解析に特化

自動車CAE技術者の利便性を念頭に、敢えて非汎用ソフトとして開発しています。

2

複数台の槽内移動解析に対応

1つの電着槽に複数の車体が入槽する状況が再現できるため、前車/後車の有無の影響を評価できます。

3

内板の析出遅れを忠実に再現

詳細な電着ラボ実験に基づく最新の電着数理モデルを搭載しています。

4

強非線形な塗膜カソード境界条件でも収束可

分極曲線がS字カーブとなる強非線形な境界条件が与えられても、ニュートン法の反復収束が失敗しにくい工夫が施されています。

5

MPI/OpenMPハイブリッド並列計算により高速

多ノードのHPC環境で最新のマルチコアCPUの恩恵を享受できます。

6

次世代有限要素法「ES-FEM」(業界初)により高精度

エッジベース平滑化有限要素法(Edge-based Smoothed Finite Element Method: ES-FEM)により、4節点四面体メッシュで2次要素と同等の計算精度を誇ります。

ES-FEM による高精度化 従来FEM(1次要素) 4節点四面体要素 • 節点で変数を評価(要素内は線形補間) • 精度向上には2次要素や細分化が必要 ES-FEM(次世代) エッジベース平滑化 • エッジ上で勾配を平滑化して評価 • 1次要素で2次要素相当の高精度を実現 計算精度の比較 従来FEM (1次) 精度: 低 ES-FEM (1次) 精度: 高(2次相当) 従来FEM (2次) 精度: 高(自由度大) ES-FEMの利点: 1次要素(少ない自由度)で2次要素相当の高精度 → 計算時間短縮 & メモリ削減 業界初のES-FEM適用により自動車電着塗装解析で高精度・高速計算を実現
従来FEMとES-FEMの精度比較 - 1次要素で2次要素相当の高精度を実現
EDESFEM 電着塗装シミュレーションフロー Step 1: CADデータ準備 車体・電着槽の形状作成 Step 2: メッシュ生成 4節点四面体メッシュ Step 3: 条件設定 塗料物性・電圧条件・槽内移動・隔膜電極の劣化 Step 4: 解析実行 電場・電流密度・塗膜成長計算 Step 5: ポスト処理 膜厚・電位・電流密度分布時刻歴 膜厚 ・析出開始時間分布 • 最終膜厚分布 付きまわり性評価 電位 • 槽内電位分布 • 車体表面電位分布 電圧条件最適化 電流密度 • 局所電流密度分布 • 電極電流分布 電極設計最適化 EDESFEMにより電着穴配置・電圧条件を事前検討し、新型車生産立ち上げの試行錯誤を軽減
EDESFEM による電着塗装シミュレーションの解析フローと評価項目

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