Mesh Generationメッシュ作成

ポリゴンから直接メッシュ作成

CADデータを経由せずに、ポリゴンデータから直接解析メッシュを作成する手法をご紹介します。リバースエンジニアリングや医療画像データから効率的にシミュレーションモデルを作成できます。


さまざまな離散形状データ

現在のCAEにおいて三次元CADの形状データを活用することは一般的になっています。

しかし、リバースエンジニアリングや、試作品の製造誤差の確認、生体データのモデリングなど、もともとCADがない場合もあります。その上、医療画像データや3Dスキャナからのデータ(STLなど:以下ポリゴンと表現します)からCADデータを作成し、解析モデルにするのに膨大な時間がかかる場合があります。

CADデータが存在しないケース

  • リバースエンジニアリング:既存製品の形状測定からの解析
  • 試作品の製造誤差確認:実測形状と設計形状の比較検証
  • 生体データのモデリング:CTスキャンやMRIからの医療画像データ
  • 3Dスキャナデータ:STLファイルなどのポリゴンデータ

そこで、CADデータを作成せずに、これらのポリゴンから直接解析メッシュを作成し、シミュレーションを実行することができたらいかがでしょうか?

医療用画像から生成された大腿骨のポリゴン
図1. 医療用画像から生成された大腿骨のポリゴン

不具合のある形状データ

一般に計測データは、計測点の集合(点群)として扱われます。次に点群からポリゴンを構築します。ポリゴンからサーフェスモデル、さらにソリッドモデルを経てメッシュ作成を行います。

ポリゴンデータの一般的な欠損

  • 飛び地:計測器の解像度不足による部分的なデータ欠落
  • :形状内部に生じる空洞や欠損部分
  • 隙間:サーフェス間の微小な間隙

これらは解析メッシュを作成する上で障害になることが多く、ポリゴンからサーフェスモデルを作成するプロセスでは、形状もしくはメッシュで適切に修正する必要があります。

穴のある形状
図2. 穴のある形状

従来手法の課題

サーフェスモデルからソリッドモデルをスムーズに作成するためには、エッジや面を認識することにも苦労することがあります。自動化が難しい工程です。

従来プロセスの問題点

  • 高精度要求:エッジや面の認識に高い精度が求められる
  • 時間と経費:多くの工数と費用が必要
  • データ容量増大:十倍から数十倍になることもある
  • 自動化困難:手作業による修正が不可欠

ポリゴンデータから直接メッシュを作成する方法

今回ご紹介する方法では、ポリゴンから直接3Dメッシュ作成を行えるため、大幅に工数を削減することが可能です。

ポリゴンから直接メッシュ作成のプロセス
図3. ポリゴンから直接メッシュ作成のプロセス

直接メッシュ作成のメリット

  • 工数の大幅削減:CADモデル作成プロセスを省略
  • 時間短縮:ポリゴンから直接メッシュを生成
  • コスト削減:形状修正作業の軽減
  • データ容量の適正化:不要な中間データを生成しない

ポリゴンから直接メッシュを作成する手法により、医療画像データや3Dスキャンデータを効率的に解析モデルへ変換できます。リバースエンジニアリングや生体力学解析など、幅広い分野での活用が期待されます。


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