Fluid Analysis流体解析

事例詳細/アルミニウム熱輻射

この記事では、輻射および自然対流の効果を考慮した加熱炉について、以前に紹介した流体力学メモ‐熱輻射の記事と同じモデルを使用して、ANSYS Fluentで実際に解析する方法を紹介します。

熱輻射と自然対流の複合伝熱現象 高温壁面(底板) 低温壁面(天板) アルミ製品 輻射加熱 輻射放熱 上昇流 下降流 複合伝熱のメカニズム 熱輻射:電磁波による伝熱 (接触不要・温度の4乗に比例) 自然対流:浮力駆動の流動 (密度差による循環流れ) アルミニウム固体 (シェルモデルで表現) 高温領域(底部優勢加熱)
熱輻射と自然対流による複合伝熱:炉内のアルミニウム製品加熱メカニズム

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熱輻射-アルミニウム置物

加熱炉内部にアルミ製の被加熱物(ねずみ置物)を配置し、輻射と自然対流の複合効果による温度分布を詳細に解析します。


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計算モデル

加熱炉内部にアルミ製の被加熱物(ねずみ置物)を置き、加熱後の最終温度分布を計算します。炉内部では空気温度差に伴い、熱対流が生じているとします。

モデル化の特徴

固体部の表現については、天板、底板、ねずみ置物は実際には肉厚を持っていますが、メッシュ分割を行わずにシェル熱伝導モデルとして扱います。これにより計算効率を向上させながら、精度の高い解析を実現します。

シェル熱伝導モデル:3D肉厚と2Dシェルの比較 実際の3D固体 肉厚t 厚み方向にメッシュ必要 →計算コスト大 簡略化 2Dシェルモデル 面内温度分布 肉厚tをパラメータとして指定 厚み方向のメッシュ不要 →計算コスト小・高精度 シェルモデルの利点:メッシュ数削減・計算時間短縮・設定容易
シェル熱伝導モデル:実際の3D固体を2Dシェルとして表現し、計算効率を大幅に向上
アルミニウム製品の熱輻射解析モデル
アルミニウム製品の熱輻射解析モデル

境界条件の設定

また天板、底板の境界には、mixed境界条件を適用します。これは熱フラックスを熱伝達と熱輻射の和として表現するモデルになります。

Mixed境界条件モデル
Mixed境界条件モデル

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メッシュ分割と解析結果

メッシュ分割

解析で使用するメッシュを示します。固体壁面近傍が細かくなるようにしています。これにより境界層内の温度勾配を精度良く捉えることができます。

解析メッシュ図
解析メッシュ図(固体壁面近傍の詳細メッシュ)

入射熱フラックス分布

入射熱フラックス(Incident Radiation)コンターを表示すると以下のようになっています。天板温度が低いため頭部の加熱が小さくなっています。この結果から、輻射による熱伝達の非対称性が明確に確認できます。

入射熱フラックス分布
入射熱フラックス分布(Incident Radiation)

解析のポイント

  • 輻射と自然対流の複合効果を考慮した高精度解析
  • シェル熱伝導モデルによる効率的な計算
  • Mixed境界条件による現実的な境界設定
  • 壁面近傍の詳細メッシュによる精度向上
熱輻射解析プロセスフロー:モデル作成から結果評価まで 1. 形状モデル作成 加熱炉・製品形状定義 シェルモデルで固体表現 天板・底板 アルミ製品 メッシュ分割 壁面細分化 肉厚t設定 材質物性 2. 物理モデル設定 輻射・対流モデル選択 Mixed境界条件設定 輻射モデル 自然対流 放射率ε 熱伝達係数h 境界温度 初期温度 3. CFD計算実行 Ansys Fluent実行 定常状態まで収束計算 輻射計算 流れ場計算 温度場計算 熱収支評価 収束判定 結果保存 4. 結果評価 可視化・評価 温度分布確認 温度コンター 熱流束分布 加熱均一性
熱輻射解析の実施プロセス:シェルモデル作成からAnsys Fluentによる計算、結果評価まで

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