事例詳細/飛沫粒子拡散
インフルエンザやCOVID-19などの感染症における飛沫粒子の挙動を数値シミュレーションで再現します。フェイスシールドの効果を定量的に評価し、感染対策の有効性を科学的に検証します。
飛沫粒子の挙動のシミュレーション
概要
インフルエンザ、COVID-19などの感染症では、ウイルスがくしゃみなどの飛沫によって撒き散らされると言われています。飛沫の影響を受けないようにするためにソーシャルディスタンスをとること、また飛沫を放出しないようにするために、マスクをつけることが推奨されています。
ここでは、数値シミュレーションにより飛沫の挙動を再現してみました。部屋の中の人がくしゃみをした場合、フェイスシールドをつけることで飛沫粒子の移動方向を制限できることがわかりました。
解析モデル
部屋内部に人が座っている場合を想定しました。時刻ゼロにおいて口から噴射されるとしました。15秒間の粒子挙動を計算してみました。
飛沫粒子の挙動のシミュレーション解析条件
| 項目 | 値 | 項目 | 値 |
|---|---|---|---|
| 気流発生期間 | 0.5秒間 | 気流速度 | 4m/s |
| 飛沫発生期間 | 0.5秒間 | 粒子初速度 | 4m/s |
| 粒子質量流量 | 6.7e-5[kg/s] | 粒径 | 粒径10μm |

バーチャルマネキンモデル提供: 九州大学 伊藤一秀先生
解析モデル(人物)
解析はフェイスシールドのある場合とない場合に対して行いました。フェイスシールドは顔面の前に置かれた非透過の壁になっています。なお、フェイスシールドの上部(額部分)はスポンジなどでの密閉は施されておりません。
解析結果
0.1秒後における顔付近の粒子挙動、および15秒後における部屋内部の粒子位置を示します。フェイスシールドがある場合、飛沫の前方への移動が妨げられているようすが分かります。なお、色は滞留時間を示しております。
0.1秒後における顔付近の粒子挙動
15秒後における部屋内部の粒子位置(動画)
※色は粒子速度を表示しております。フェイスシールドによる飛沫の拡散抑制効果を時系列で確認できます。
くしゃみ時の飛沫粒子の挙動シミュレーション ~フェイスシールドの効果検証~
解析結果から分かること
本解析では、マスク非着用の場合で、フェイスシールドの有無での飛沫の飛散を検討しております。
解析から得られた知見
- フェイスシールド非着用(ノーガード)の場合:時間が経過するにつれ、飛沫は広く拡散していきます
- フェイスシールド着用(上部開放)の場合:顔面上部や胴体・手足付近に飛沫が飛散する恐れがあります
- マスクとの併用効果:マスクによる飛沫拡散抑制は周知されていますが、フェイスシールドを効果的に施すことで周囲への飛沫の拡散をより少なくさせる効果もあると考えられます
飛沫粒子の付着・拡散割合
フェイスシールドや人体に当たった粒子は、フェイスシールドや人体への付着条件となっています。今回の計算条件の3秒後はフェイスシールドや人体に74%は付着する結果となりました。またフェイスシールドの上下が空いていると26%は周りに移流するようです。
※計算条件が変われば、結果も変わります。お客様の環境に応じた詳細なシミュレーションも承ります。
| フェイスシールドの条件 | 総粒子数に対する割合 |
|---|---|
| フェースシールドまたは、人体に付着する | 74% |
| フェースシールドの下から漏れる | 19% |
| フェースシールドの上から漏れる | 7% |
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